Web2.0部会 2007年度活動要綱


●活動目的:
EnterpriseシステムのためのWeb2.0的な技術や思想の活用が広範に認知された2007年の状況を踏まえ、引き続き、その時点で要注目の技術要素を分析、検証し、代替技術と比較して論じ、それらの特長を良く引き出すためのビジネスを予測してベストプラクティスを探索、追及する。そのためのプロトタイプ開発や、スケーラビリティやSLAの観点を含めた評価、類似技術、開発環境の比較調査、アプリケーションのアイディア出し等を行う。昨年度に引き続き、マッシュアップや、REST型Webサービスをとりあげるとともに、再度注目を集めつつあるフィード技術についてもビジネスに近い形で活用法を論じていきたい。また、"Web 2.0 for Enterprise" のベストプラクティスの1つとしてのSaaS (Software as a Service)の動向にも注目し、他の関連部会と連携して取り組んでいく。

●背景:
2007年はエンタープライズWeb2.0の年、と認知された感がある。2月に、1ユーザ年間6000円で可用性99.9%を「保証」するGoogle Appsが登場、また、IBMがWebsphere portal上にGoogle Gadgetをエンドユーザが容易にその場で組み込める仕組みを提供する協業発表があった。Salesforce.comの活躍に象徴されるSaaS利用による、エンタープライズITのサービス化の動きもいよいよ本格化している。SaaSの要素の多くは、Web 2.0の原則と重なるものであり、マッシュアップや集合知の活用を実践する姿は、"Web 2.0 for Enterprise" そのものである。このように、エンタープライズWeb 2.0活用の本格化の年となった、本年、2007年度は、次のテーマ、方針、内容での活動を企図している。

●活動内容:
 (a) エンタープライズ向けWeb2.0の全体像、哲学、利用者視点のビジョン、設計哲学、デザインパターンの調査
 (b) Ajax, マッシュアップ、REST型Webサービス等、Web2.0の各技術要素の研究、試作・評価
 (c) エンタープライズ・ポータル、SaaS活用、社内Blog/SNS運用など、ユーザ参加型コンテンツ収集・連携のモデル、アプリの検討
 (d) SaaS事業化(提供側)、XBRL活用、HR-XML活用、RSSマーケティング、ロングテール等、ビジネス面の検討、予測
 (e) 複数WebServiceを使い分け、併用や、メタデータ活用に関する研究

●重点施策
 (1) 開発者向けにとって有用な最新技術、部品、サービス製品動向のデモ入りの内部講演
 (2) 「入りやすさ」「関連WG, 部会, 企業, 学会・研究会、マスコミ等との連携のしやすさ」を重視し、年度途中でも常時参加を受け付け。
 (3) 多種のサービスを自ら試用しその体験をメンバーと共有する文化の醸成
 (4) その発展として関連研究を横断したWeb2.0的コミュニティの運用
 (5) IT系マスメディア、イベントと連携した双方向知識貢献、知識更新

●活動方法・報告・成果物
 ・メンバーによる月例ミーティング開催
 ・SNS、ブログ、メーリングリスト等による日常の情報交換、ディスカッション
 ・参加メンバー個人によるテーマ別の調査報告の実施
 ・XMLコンソーシアムの他部会および他団体との協調による普及推進
  - Webサービス実証部会さんとWebOS関連で
  - セキュリティ部会さんとWeb 2.0のセキュリティ対策について
  - SOA/BI研究部会さんとSaaSと協調するエンタープライズシステムのアーキテクチャについて 等
 ・技術顧問(慶應&W3C萩野教授, 名大吉川教授)ら識者を囲んだオープン・ディスカッション
 ・部会成果発表会(XMLコンソーシアムDay、XMLコンソーシアムWeek等)での活動報告
 ・外部イベント(Web 2.0 Expo等)への参加

●会員メリット
 ・エンタープライズにとってのWeb2.0関連の最新情報・技術・実装ノウハウの取得
 ・Web2.0関連でオリジナルなアイディアを育て、試作に参加し、本格的な近未来体験
 ・将来アプリ、ビジネス発掘のためのビジネスアイディア発想の刺激豊かな環境
 ・エンタープライズ情報環境と個人情報環境の有機的統合を考える場への参加
 ・参加メンバー間の情報交換、人的ネットワークの確立(人材間のマッシュアップ)

●連絡先
 野村直之(メタデータ)、宮崎昭世(日立ソフトウェアエンジニアリング)、小林茂(日本ユニシス)、玉川竜司(Sky)、荒本道隆(アドソル日進)、八木一平(リクルート)

●活動の軸(2006年度と対比)





【2006年度Web2.0部会活動実績】
●扱ったテーマ:
 ・hon.jp等国産WebAPIの調査、試用。
 ・エンタープライズ・マッシュアップ方式の考案、調査・分類。
 ・Sun×リクルート第1回マッシュアップコンテストの受賞作品の試用、評価。
 ・xfy, c2talk他、マッシュアップ可能な専用クライアントの開発会社による紹介。
 ・Ajax等Web2.0的サービスの開発手法、開発環境。テスト・ツール。法的メタデータ。
 ・Ruby on Rails, Pythonに代表される軽量言語。
 ・Web2.0時代のSOA2.0 〜REST準拠のサービスとSOAP/WSDLの使い分け、併用の検討。
 ・Web2.0のビジネスモデル。WebOS、SaaS。

●活動形態・経緯:
部会発足の前後から年度末にかけて、下記の公開セミナーでWeb 2.0関連のテーマで次の講演:
2006.3: 第1回Web 2.0勉強会「なぜXMLコンソーシアムがWeb 2.0に取り組むか」
2006.4: 第2回Web 2.0勉強会「エンタープライズ・マッシュアップ!」
   「魅力的なエンタープライズ・マッシュアップをどうやって考えるか」
   「企業でのポータルとマッシュアップの利用について」;
   「エンタープライズ向けに有用そうなマッシュアップのモデル、新機能案」
   「エンタープライズ・マッシュアップの実際 〜hon.jp等の活用」;
2006.5: 第5回XMLコンソーシアムWeek 2日目:「Web2.0時代のエンタープライズシステム」
   「メタデータ活用から "Web2.0 for Enterprise"へ」
   「魅力的なWeb2.0的アプリケーションをどうやって考えるか」;
   「企業でのポータルと、リッチ・クライアント、マッシュアップの活用」
   「REST API + XSLT:エンタープライズ・マッシュアップの実際」;
2006.12:XML Day
   「Web2.0部会の活動経緯 〜マッシュアップコンテスト入賞作品の評価等」;
   「エンタープライズ・マッシュアップを実行可能にする法的メタデータCCの活用」;
   「Web2.0的機能の開発環境」; 「SOAP と REST 〜メリット比較・・・等」;
2007.5: 第6回XMLコンソーシアムWeek 1日目:「WebトレンドDay」:
   「Ajaxの開発環境」; 「LL(軽量言語)によるアジャイル・エンタープライズ開発」
   「Feed2.0 on Web2.0」(株式会社サンブリッジ小川浩様基調講演)
   「第2回マッシュアップ・アワードのご報告と今後の方向性」
   「WebAPI, マッシュアップ・アプリの調べ方2007上期」
   「エンタープライズ2.0におけるRESTとSOAPの使いこなし」
   「エンタープライズのプラットフォームとして台頭するSaaSとWeb2.0のビジネスモデル」

この他、月例の部会でも最新製品やサービスの開発者による講演を実施したり、様々な開発環境、ライブラリ調査法の比較など、到底個人や1社では網羅し得ない質と量の調査結果を共有することができた。Sun x リクルートさんのマッシュアップコンテストの受賞作品を手分けして試用評価する、といった、月例部会としては新しい試みを手がけることもできた。

●代表的成果物
 「エンタープライズ・システムのためのWeb 2.0」提言書
  公開時期:2007年6月初頭
  公開場所:XMLコンソーシアムサイト、インプレス殿のエンタープライズ系新サイト